イタリア料理に欠かせないバルサミコ酢の種類

バルサミコ酢とは

イタリア料理には欠かせない調味料であるバルサミコ酢。酢であることから日本人の口にも合いやすい為、日本の食卓でも使われるようになって久しいと思います。サラダに掛けても美味しいし、肉料理に掛けたり、フルーツやアイスに掛けても美味しく食べることができる汎用性の高い調味料です。

バルサミコ酢を簡単に説明すると、ブドウを圧搾して煮詰めた後、樽で熟成・発行させたものをバルサミコ酢と言います。

バルサミコ酢はブドウを主原料にした酢/ヴィネガーですが、バルサミコ酢として売られている製品にはスーパーで売られている数百円のものから、数万円、数十万円で売られているものまで値段の幅が広く提供されています。この記事では、この違いが何なのかを説明していきます。

 

 

バルサミコ酢の種類

バルサミコには大きく分けて3つの種類に分類することができます。人によっては2種類と言う場合もありますが、今回は3種類として説明します。

EUでは彼らの定める産地認証制度として統一の統一ラベル表記による制度が整備されています。下記のラベルを見たことがある人もいるかと思います。DOPとIGPと呼ばれていますがそれぞれの正式名称はDOP=Denominazione di origine protetta (英語表記:Protected designation of origin)と、IGP=Indicazione geografica protetta (英語表記:Protected geographical indication)となっています。DOPは日本語では原産地呼称保護と、IGPは地理表示保護となります。DOPは限定された地域内で、明確に規定された生産方法と伝統的なレシピに従って厳密に生産された食品に対して与えられるヨーロッパの認証です。IGPは品質、評判、レシピ、固有の地域特性を保護するために農業食品に与えられるもので、少なくとも食品の生産、加工、熟成のうち1つの工程が限定された地域で行われたものでなければいけません。

DOPとIGPの認証は取得工程や維持が大変

その生産地域、生産国、EUの順で審査に通らなければならず、認定された後も、その製造については、厳しい品質基準を満たすことは当然として、さらに誰が、いつ、どこで作ったものかということを原料にまでさかのぼって証明しなければなりません。

 

 

それではバルサミコの3種類

まずは、バルサミコ酢の最高峰とされるDOP品(原産地名称保護品)でアチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ・DOP。通称トラディツィオナーレと呼ばれます。これは最低でも12年以上の熟成が必要。長期熟成タイプのストラヴェッキオは25年以上の熟成を義務付けられており、その熟成期間の長さからも最も貴重な商品。ブドウの品種は、モデナで生産される2種類のブドウ(ランブルスコ、トレッビアーノ)と限定されています。

2つ目は、アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ・IGP。通称アチェートバルサミコ。IGPとして細かく製法や原材料が定められている他、熟成期間は60日以上と定められています。また、IGPのバルサミコは原材料を80%以上ぶどうジュースを煮詰めたものを使わないといけなく、残りはワインヴィネガーを20%を上限に混ぜ、これを熟成させることを許可すると規定されています。着色料についても天然のカラメルを2%まで加えることを許可されています。IGPのバルサミコのぶどう品種は、協会に認定された7種類のブドウ(ランブルスコ、サンジョベーゼ、トレッビアーノ、アルバーナ、アンチェッロッタ、フォルターナ、モントゥーノ)です。

3つ目は、コンディメント・バルサミコと呼ばれるバルサミコでDOPやIGPのように熟成期間や作り方に規制はありません。伝統的な製法で作られるバルサミコ酢は高価になり過ぎてしまうため大衆的なレストランや一般の家庭で使用するために普及品がリーズナブルに手に取ることができます。数百円台の安価に手に入るものから、味をできる限り高級品に近づけるために材料や工程にこだわった高級品に近い3−5年熟成のものを楽しむことができます。

DOPやIGPの製品だけが良いというわけではなく、DOPやIGPではない製品の中にも良いものは沢山あります。